理想の○○製作委員会

政策を考えるのが趣味の人。

理想的な地域計画とは

それぞれの地域には、地形や歴史、交通、産業など様々な要素があり、その中でも十分に物語としての影響力を持ちうる地域に対して、人々から印象が残る地域、ブランドのある地域としての評価が与えられることと思います。
 元来、ひとりひとりの仕事や生活スタイルが画一的でないように、それぞれの地域も当然にして多様であります。もはや行政区画で判断できるほど単純なものではないのですが、この中で将来においてもその地域性なるものを豊かに保ち続けるにはどうすればよいか、考えていきたいと思います。
 地域ごとに建築物の内装や材質、構造は異なっているのが自然ですし、道路、街路の関係もまた同様です。テナントの構成も異なるでしょう。
 この中で考えるべきは、地域における人口の最小単位です。大学都市におけるカレッジのように数百人程度のコミュニケーション空間が成立すると考えると、地域というのはそれ自体が一つの大きなキャンパスであります。どのようなメンバーが所属していて、どのように活動していくのかというひとりひとりの行動計画、生活設計がベースとなって地域が変化していくと思います。
 数百人程度のキャンパスを地域に見立てて自律的、生産的な活動を展開することができるのであれば、多くの過疎地域における問題を問い直すことができるでしょう。この数百人からなるカレッジが年間を通して何十人も流動するような形で、日本中で人の入れ替わりをダイナミックに行いながら、自由に地域を選択して季節ごとに豊かな生活を楽しむことができれば、我が国のライフスタイルがより一層魅力的なものとなるでしょう。
 先日、2015年実施国勢調査に基づく市町村別の将来人口推計が発表されましたが、人口の総数ではなく総活動量で地域の活性人口を考える必要があると感じております。個人や団体の活躍が最終的に地域の活力に結びつくような枠組みを考えることこそが政策の醍醐味であると思います。